【要約】発音の違いは多少あります。初心者コースの音を真似れば大丈夫でしょう。
これは IPA を読める、音韻論好きな人向けのページです!
トキポナ語話者の中には清濁や帯気などに関する発音の違いが少しあります。こういう発音の違いには二種類の原因があります。母国語の影響と個人の好みです。
母国語の影響
トキポナ語話者の大半は英語をしゃべられますし、スペイン語、フランス語、日本語、ドイツ語、中国語、ロシア語などをしゃべる人ももちろんたくさんいます。これらの言語の音韻体系はトキポナ語と異なるので、ほかの話者と発音の差異が生まれることがあります。経験を積むにつれ、大体トキポナ語学習者は周りの人の発音に似始めます。
子音の後に来る息のことを帯気と呼びます。トキポナ語では、/p t k/ は通常は無気音です。しかし、英語が母国語のトキポナ語学習者は英語のように [pʰ tʰ kʰ] と有気音で発音することがあります。
フランス語では、母音の間の ⟨s⟩ は [z] と濁るので、フランス語が母国語の人は musi を [muzi]「ムズィ」と発音することがあります。
ドイツ語、ロシア語、ハンガリー語のような言語では、/w/ にあたる音が無いため、それらを母国語としている人は、似ている /v/ で代用し、tawa を [tava]「タヴァ」と発音することがあります。
日本語には /l/ が無く、ラ行の /ɾ/ が一番近い音になります。とくにトキポナ語のボカロ曲では、日本語用に作られた技術を使っているため、lili を [ɾiɾi] と発音するものをよく見かけます。
ロシア語では、L の音が二つあります。硬子音 ⟨л⟩ /ɫ/ と軟子音 ⟨ль⟩ /lʲ/。トキポナ語の /l/ はその中間のようなものなので、ロシア語が母国語の人は len などを過剰に「硬く」ないし「軟らかく」発音しがちです。
英語では、/ɛ/ や /ɔ/ などの母音は単語の最後には現れないため、英語が母国語の人は語尾の /e/ や /o/ を /ɛj/ や /əw/ などで代用することがあります。だから ike や waso が「イーケイ」や「ワーソウ」になったりします。
個人の好み
個人の好みで起こる発音の違いもあります。これらはほかの話者に気づかれないことが多いです。
/t/ を [t] と発音する人も [t̪] と発音する人もいます。どちらもいい発音です。聞いても違いがほぼないのでそこまで考えなくていいです。
多くの話者は /n/ を後の子音と同化させることがあります。日本語で「すんだ」と「しんぴ」の「ん」をそれぞれ [n̩] と [m̩] として発音しているのと同じです。
これは大体 a[m]pa・So[ŋ]ko・li[ɲ]ja のように、言葉の中で起こります。しかし(このコースの英語版を書いた kala Asi および日本語版を書いている私 ijo Jomo を含む)少人数のトキポナ語話者は、ke[m] pona・ke[ŋ] kama のように、言葉と言葉の間でも同化を起こします。
母音から始まる単語も趣深いです。単語は母音から始まることもありますので、mi sona e ona のように母音の隣に母音が来てしまうことがあります。大抵はそれぞれの母音をなめらかに連ねて発音しますが、人によって声門破裂音 [ʔ] で「ミ・ソナ・ッエ・ッオナ」と発音したり、[h] を入れて「ミ・ソナ・ヘ・ホナ」と発音することがあります。特に後者は歌手によく見られます。